遊楽日記 |
焦らず気負わず気ままに迷走中 |
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
バリバリバリバリバリッ!
絶叫を上げていた。
痛い、痛い、痛い痛い痛い―――!
自らの絶叫さえ聞こえない轟音の中を落ちてゆく。
聞くな聞くなというように世界と世界が絶叫を上げている。
故郷が行くなと叫んでいるのか。未知が来るなと叫んでいるのか。
轟音の中を落ちていく。
見開かれた目はすでに極彩色に焼かれて何も見えなかった。ナニイロでもない暗やみに閉ざされた中に響くのは、自らの身体が作り変えられていく鈍い音と轟音。
ただ痛みだけが脳裏を焼いた。
引き裂かれるような押し潰されるような切り裂かれるような溶けるような千切れるような砕かれるような焼かれるように痛い痛い痛い!
落ちていく。
世界に拒絶されていく。
世界から遠ざかっていく。
痛みを持って、世界は世界に相応しいよう世界から引き剥がされた子らを変えていく。
それでも、これが世界の意志だとしても、この『右手』だけは離すわけにいかない。
既に言葉による思考能力は低下して、ただ「痛い」と「離さない」だけが交互に頭をかき回す中で。
世界の伸ばす変異の手から、少しでも、ほんの少しでも護る。
自分の持つ全ての力で……!
一瞬痛みが激しさを増した。
声にならない絶叫。
そしてその一瞬だけ力を抜いてしまった『右手』から、大事なものがなくなった。
我に返って必死に後悔と懺悔と痛みに泣きながら、『手』を伸ばす。
いやだ、いやだぁ!
――――でも、その手はどこにも届かない。
暗転。