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遊楽日記
焦らず気負わず気ままに迷走中 
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銀幕市を舞台にした400字原稿用紙19枚前後の短編。

・・・銀幕登録キャラが一人も出てないのは何事だろう。

今現在、俺が書くのは全て習作です。練習中です。生温かい目でどうぞ。


舞台/銀幕市・隣りの市へ続く山道

日時/リオネが夢の魔法をかけた日

ジャンル/・・・・えー・・・


長い、かも?

・・・どうなんだろう。

 

銀幕市は三方を山、開けた一方は海という陸の孤島だ。
交通手段は電車か船、車か徒歩で市を出るには山道を行く必要があり、なかなか不便でもある。
特に、駅を利用しがたい逃亡者にとっては。

 
キツめのカーブが連続する、暗いはずの夜道を爆音四つが突っ走っている。
その構図は先頭を行く一人と追う三人。
先頭の一人は女だ。夜闇に目立つむき出しの金の髪は暴風に荒れ、対象的に闇に沈む漆黒のライダースーツは細い身体に不釣合いな暴れる巨体を乗りこなして加速を入れる。
金髪と長身、バイクに跨がっていても崩ぬ抜群のプロポーションとはどこかそぐわない日本的な顔立ちは美しく、
今見通しの悪い山道で保つ安定した操縦に反して彼女の表情は揺れていた。
 
 
なんなの!?なんなのよっ!
――どうなってるの!?

彼女は追われていた。

―――しかしそれは別に良い。いつものことだ。なにせ泥棒だし。
このバイクだってつい数十分前に勝手に拝借したものだ。乗り物を選ぶ余裕もなく目の前にあったものを搭乗者蹴り飛ばして借りたのだか、滑らかなラインのソレはなかなか高性能で、それだけが唯一の救い。
この派手な色は趣味じゃないけど。
彼女はこれまでの経緯を思いつつ唐突にハンドルを右に切る。
キュンッ
直後、今まで彼女が走っていた位置に青い飛沫が立った。
愕然として思わずバックミラーを確認し、しかし写った追手に彼女は慌てて視線を逸らす。

やっぱり全身タイツなんて正気じゃないっ!
気持ち悪い…っ!
 
 
「止めなさいブルー!」
「そうだ!彼女に当ったら一体どうするつもりだ!?」
「・・・ちっ」
 
追手達の会話は彼女の耳に届かない。
ただ、得体の知れない怪光線来襲が無くなったのに安心するのみだ。


最初の追手は、普通に警察だった。
深夜、ご苦労にも粘着質で執拗でストーカーじみた変態共の捜査の果てに拠点を突き止められ、彼女は囲まれ追い詰められた。が、
一瞬の幻のような停電をきっかけに隙を作り、囲みをすり抜けることに成功したのだ。収集品を詰められるだけ詰めた小ぶりのボストンバッグを持って彼女は逃走した。
しかし警察はすぐに復活し追ってきた。既に自分のバイクを押さえられていた彼女は二本の足で駆けるしかなく、進行方向に居たバイクに跨り話していたの4人の若者達の一台を奪い続けてパトカーとカーチェイスしていたのだがいつの間にかパトカーは消え、


代わりにどこからともなく出現したのだ。戦隊ヒーローが。


現れたのは三人。揃ってそれぞれ青、黄色、ショッキングピンクの全身タイツに身を包み、頭部は何故か動物を連想させるフルフェイスのヘルメットで覆い顔は見えず、
派手な動物的な凹凸と乗り手揃いの色の大型バイクを駆っている。
性能は彼女が奪った赤い大型バイクと同程度。先刻から、差は縮みもしないが広がりもしない。
それにその山道は一本道で、彼女は道の選択を少し後悔した。パトカーを撒いたと感じ、とりあえず銀幕市から離れるために山越えの道に入ったのだが・・・
 
まさかあんな変態共が張ってるなんてっ!
一体どこの暴走族よ!?
 
先頭の青タイツが構え、他の二人が腰に下げていたのは水鉄砲のような、戦隊ヒーローグッズのような・・・というかそのまんまの「未来銃」だ。
いつの間にか科学は進歩していたらしい。
 
でも、私相手なら普通の拳銃で充分だと思うんだけど・・・っ!
 
っというかあのコスプレは何の冗談!?
もしかして、私の職業を知っているから正義の味方なの!?
 
混乱した思考のまま次々現れる急カーブを身体を傾けてクリアしていく。少し手をの伸ばせば触れられる近くをアスファルトが高速で流れて行き、彼女の方が操縦技術は上なのか差が少し広がった。
 
「このままじゃ…!」
「くそっ!シフトチェーンジッ!!」

はぁ!?シフトチェンジだ!?
背後から何故かエコー付き響いてきた人を小馬鹿にした掛け声に、瞬間的に沸騰した怒りが恐怖を上回りった。
 
何がシフトチェンジよ恥ずかしい技名大声で叫ぶんじゃないわよ!?大体私はあんな理不尽な戦隊モノ子供のときから大ッ嫌いなんだ、何強化ぼうっと見てるのよ悪ならヒーローの変身待つんじゃないわよ、・・・・・・・ッ!?
 
怒りのままに怒鳴りつけようと、彼女は勢い良く背後を振り返り、
・・・・直後振り返ったことを物凄く後悔した。
 
と、飛んで・・・!
 
バイクが変形している。
動物的というか、昆虫的というか、そういうありえない形容の派手な色づかいで、しかし普通に地面を走るバイクだったものがバイクの形を失くしていた。
いうなればバイクじゃなくてサーフボード。
頭部をあしらったハンドル付近を前に伸ばし座席は消失、唯一盛り上がった後部はエンジン部なのだろう。嫌に眩しいオレンジの火を背後に噴出し推進力としている。
 
どういう構造なのか、下にも上にも何も無いのに飛んでいる。
当たり前のように半身で足を開き腰を落としたヒーローが空気でサーフィンするように宙を追ってくる。
 
呆然と見守る視線にヒーロー達は加速一発。
ボッと後部オレンジの火が燃え、元々時速200㌔超えたカーチェイスなのに見る見る距離を詰めてくる。
 
・・・ッ反則だーーーーーーーーーーッ!
 
彼女は心の中で絶叫し血走った目を前方に向けた。
心境はもうパニックだ。さっき得た怒りなど吹っ飛んで恐怖が復活している。
 
追いつかれるかもしれない・・・!
 
いや。それよりも、
 
 
何!?本当に正義の味方なの!?
 
さっきまではまだよかった。はっきりいって生理的な嫌悪感と身の危険に近い恐怖だけで済んだ。単なる頭のおかしいコスプレ集団が危険な兵器を持っているものだと考えていたのだ。それも相当だが、
 
 
全身覆うタイツも、怪光線も、あくまでも現実だと。
 
 
 
   しかし奴らは空を飛んだ。
 
 
バイクの暴風の中、彼女は背に嫌な汗をかく。
脳裏に浮かぶのは、鉄壁の不文律だ。
 
『悪は全身タイツのヒーローに勝てない。』
 
もし。奴らが本物の正義の味方だったら・・・ッ
 
 
自分は泥棒で犯罪者、つまり疑う余地なく悪だ。
―――つまりここが奴らの住む異空間の中ならどんな手を使ってもラスト数分で爆発四散してしまうのだ!
 
い、嫌だ嫌だ嫌だ!そんな死に方したくない!倒されたくない!大体私そんなに悪いことした!?余ってる所から有り余ってるものをちょっとくすねただけじゃない、幼稚園のバスを占拠して子供たちを人質にとったわけでもダム爆破しようとしたわけでもないのにーーー!
・・・いや、成功する前に必ずヒーローの介入で失敗する怪人達に比べればちゃんと成功した前科がある分罪は重いといえるのかも知れないけどっ!
 
――彼女が冷静なら途中で想像を止めただろう。

湧き上がる嫌な想像を振り払うために加速を入れたくても既にバイクは最高速度にノっている。
運転技術で引き離そうにもマシンの速度が違いすぎて離せない。
風音に、サーフボードの加速音が混じって段々近づいてくる。
 
「止まれ!そのバイクを返すんだッ!」
「返して!それがないと凄く困るのよっ!」
「レッドのバイクがないと巨大ロボが・・・!」
 
青い非常識と黄色い非常識と桃色の非常識が何か言っているが風音が激しく聞き取る余裕もない。
そして彼女の妄想力は自分で台詞を補完した。
『もう逃げられないぞ!』『覚悟しろ悪の手先め!』『バラバラにしてやる!』
余裕のない彼女の心はそれをそのまま真実と思い込み、更に更に恐怖が大きくなる。
 
ひぃーーー!
目じりの涙は一瞬で後方に飛んだ。
 
少しでも身を離そうと胸がハンドルに付くほど上体を倒す。
 
「なんでそんなに必死で逃げる!?」
『逃げられると思っているのか悪め!』
「バイク返してくれれば何もしないわよっ!」
『許せないわ悪め!爆散させてやるっ!』
「いい加減にしろ!何が目的だ!?」
『正義は我らにあり!おとなしく正義の一撃を受けよ悪め!』
 
山道は急な登り道に差し掛かり、重力にバイクの速度が心持下がる。
それをチャンスと思ったのか、サーフボードに再び加速音が入る。
 
気がつけばすぐ背後まで爆音が迫っていた。
追い詰められる事実に彼女の恐怖が爆発しかかるが高速の二輪はすぐに坂を上りきり、
 
唐突に視界が開けた。
 
瞬間、混乱しきった彼女は前輪が浮いた巨体の制御を失った。ぶるりとバイクがぶれ、比べ物にならないほど速度が下がり、
 
・・・あ・・・・!
 
もう、もうダメ・・・!
目じりの涙がさらに膨らみ、脳内で 爆発 四散 巨大化 爆発 全身タイツなどの単語が回転し、視界の端に指先まで青いタイツに覆われた手が近づいて―――――――――
 
 
 
 
 
 
 
 
音が消えた。
 
 
 
 
 
 
 
その瞬間彼女が感じたのはそれだった。
 
 
 
あれほど煩かったバイクの爆音もサーフボードの加速音もヒーローの声も何もかも消えている。
 
 
聞こえるのは速度の風音と、身の中にあるドクドクと脈打つ心音。
 
 
 
・・・え・・・?
 
 
 
浮遊感。
 
身はまだ速度の中にある。
 
 
 
とてつもない違和感。
 
 
 
 
そう、・・・バイクがない。
 
 
 
違和感に気がついた次の瞬間、
 
全身に道路に叩きつけられた衝撃。
 
 
 
 
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
彼女はごろごろと数メートルを転がり、ガードレールの支柱に背から勢い良く激突した。
 
い・・・・ッた・・・・!
 
そのまま息を詰め、何かに身構えるような数瞬がある。
 
―――虫の音。
 
―――穏やかな風の音。
 
―――下の方から響くのは車の走行音。
 
 
恐る恐る、顔をあげる。
 
ジジ、と、すぐそばの街灯が音を立てた。
動きはそれだけだ。
 
どこまでも現実的な、静かな夜がある。
 
・・・・・・・・?
 
呆然と、あたりを見回す。
 
街灯と、緑の看板を掲げたポールがあり、山道を囲むガードレールがあり、
 
―――しかし他には何もない。
 
まるで幻だったというように。
バイクもサーフボードもヒーローもいない。
 
夢と思うには、ここに居る彼女自身を否定できなくて。
 
 
 
 
ゆっくりと視線を上げた。
 
 
 
 
緑の看板には「銀幕市」と書かれている。
 
向こう側に回れば、きっと隣の市の名前が見えるだろう。
 
どうやらここは、市の境界を越えた場所らしく、
 
つまり奴らは何だったのか・・・
 
ふとたどってきた道路を見ると、自分の戦利品を詰めた大事な大事なカバンがぽつんと落ちている。
そこは市の境を越えた、つまり銀幕市内。
衝撃に口が開いていて、いくらかの金品が零れていたが・・・・・
 
「・・・麓まで、歩きでどれくらいだっけ・・・・」
 
何故か、どうしても、それを取りに戻る気にはなれなかった。
 
 
 
 
end・・・?
 
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