忍者ブログ
banner
   
遊楽日記
焦らず気負わず気ままに迷走中 
[PR] 
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


『オーケストラパニック!』の後話

ノリと勢いで捏造ー

予想外の短さでした。(何)
…書いといてアレですが人間性悪いなぁ香介。嗚呼。

いや。まぁ。…ごめんなさい。(おい)


 



農作業である。

これまでの人生今まで全くこれっぽっちも縁がない。野菜?なにそれ全部木に成ってんの?の世界だ。それは冗談にしても、…とにかく縁がない。
保育園も幼稚園も縁がなく、義務教育はサボりきり、実は高校も大学も受験さえしていない香介だ。体験学習で土に触れた記憶もなく、本やTV、たまに訪問する天人達から得た知識で農作業がどういうものか知ってはいるものの、実際に畑を耕したのは初めてだった。

持たされた鋤は冗談抜きで重かった。扱いづらかった。穏やかな、しかし逃亡を許さない立ち姿でこちらを眺めていた体格のいい男を香介は本気で凄いと思ってしまった。

でもうんざりだ。もうやりたくない。腰痛いし。

それに手を傷めないために手袋して振っていたのだが、それでもじんわりとした痛みを得てしまっている。正直言って、これ以上手を痛める可能性には耐えられそうにない。


というわけで、得体のしれない神父と別れた後、香介はさっさと家路についている。


悪くない夜だ。珍しく風も涼しく、夜空にはくっきりと月が出ている。
ハザードの痕跡を示すように窓のない家もいくつか見てとれるものの、久しぶりに静けさを取り戻した住宅地は穏やかな安らぎを漂わせているようだった。

「…今度会ったら嫌みの一つくれぇ言われそうだけど…まぁ、いいか。」

脳裏に医者を名乗った金髪の男の姿が過らないでもない。
置いてきたルシフを思い出さないでもない。
だがまぁ、あの医者とは思えない武装からして案外逞しそうだし、ルシフはいつも通り自力で帰還するだろう。

少々強引にこじつけた気もしないではないが…とにかく、もう帰って寝ようと決めている。

(…腹減った。…まだ萩堂居るかな。)
頼んでもいないのに夕飯作って待っているのかもしれない。
しかし居ないのかもしれない。その時はさっさと寝てしまおう。

あっさりと思考を切り替えてそんなことを考えながら、ほとんど無意識に染みついた旋律を口ずさんでいた。


穏やかな夜に、尾をひく静かな旋律がとけこんでいく。


PR
COMMENTS
この記事にコメントする 
NAME:
TITLE:
URL:

MESSAGE:

PASS:[]
TRACKBACKS
この記事にトラックバックする 
| 対子供事情 | top | あるカップルの会話 |
| 206 | 355 | 188 | 184 | 170 | 166 | 162 | 152 | 150 | 136 | 134 |
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
自己紹介
HN:
如月 涼
HP:
性別:
非公開
自己紹介:
『メイガスソウル』
    (参加キャラクター一覧)

・『螺旋特急ロストレイル』
    (登録キャラ一覧)

・『銀幕★輪舞曲』
    (登録キャラ一覧)
====注意====
このブログは非公式です。ツクモガミネット様とは一切関係ございません。

主張。お借りしています。 どんとお誘い下さい

ブログ内検索
アクセス解析
忍者ブログ [PR]
  /  Photo by MIZUTAMA  /  Design by Lenny